財務3表(B/S,P/L,C/F)をビジュアル化する

数字の羅列を視覚的にわかりやすく

会社の財務状態は有価証券報告書の財務諸表にすべて記載されている.下記,2020年のトヨタ自動車の有価証券報告書から,連結村営計算書を一部抜粋したものだけど,この数字の羅列を見て,「着実に利益を出している」「資産に対して借金が少ない」「資産に対して利益が十分」とぱっとわかる人は少ないのではないでしょうか.そもそも,利益やら資産やらはどこをどう見たらいいのやら…まずは財務諸表(財務3表=貸借対照表,損益計算表,キャッシュフロー計算書)をビジュアル化してみよう.

財務3表をビジュアル化する

というわけで,まずは企業の資産状況を見る貸借対照表(B/S)をビジュアル化してみる.B/S=バランスシートの名が示す通り,左側に資産,右側に負債+純資産を記載し,両者が完全に一致するようになっている.ざっくりと負債=借金,純資産=軍資金と見做すなら,純資産が多く負債が少ないほうが良いに決まっている…というのが一目瞭然となる.特に資産に対する純資産(軍資金)の割合を自己資本比率と言い,これが大きいと安定した会社=潰れにくい会社とされる.

B/Sをより簡略化して棒グラフっぽく描いたのが下記右側の図で,これを見ると「借金は小さいほうが良い」「現金や利益剰余金は多いほうがいい」というのが見て取れる.

次に,企業の稼ぎ状況を見る損益計算書(P/L),軍資金と稼ぎを見るキャッシュフロー計算書(C/F)をビジュアル化する.下記,左側が損益計算書,右側がキャッシュフロー計算書を図示したものとなる.損益を見ると,まずは売り上げに占める粗利益が大きいほど良い,営業経費は小さいほうが良いというのが一目瞭然となる.また粗利益率=粗利益/売上高,純利益率=純利益/売上高,SGA比=SGA費/粗利益といった定義が示す意味もぱっと理解できるようになるだろう.

キャッシュフローを見ると,営業CFが大きく,投資CFが小さいほうが良いというのはもちろんのこと,最終的にキャッシュが増えていることが大事(これを10年という長期スパンで見て,安定的にキャッシュが増えている)というイメージがつかめるはずだ.

財務3表の数字をグラフ化する

このように,財務状態を線や面でグラフ化して,数字ではなくイメージでとらえることが,手早い理解の第一歩となる.これには,各証券会社のツールを用いても良いし,四季報のツールを用いても良いし,EDINETから有価証券報告書の電子ファイル(XBRL)をダウンロードし,そこから数値を抽出してグラフ化してもよい.XBRLを加工するやり方を詳しく記述したブログもいくつかあるけれど,本サイトでもエクセルマクロベースのツール(昔,こちらのブログで公開されていたツールをダウンロードし,カスタマイズしたもの)を用いてグラフを書いているので,次の記事で中身を紹介したい.

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