企業分析!:東レ

バランスシートから財務状態を分析

炭素繊維複合材料で世界シェアNo.1の東レについて,7年分のXBRLデータから,財務状態を長期時間軸でプロットし,投資判断の一助とする(→企業概要のまとめはこちらのページ).

バランスシートの資産と負債を隣り合う棒グラフとして,時間軸に対してプロットする.資産はこの7年間で漸増,純資産(棒グラフ右側の赤系塗りつぶし)を見ると,一貫して4~5割くらいに保たれている.流動負債は変わらず,固定負債は漸増だが,まま,安定していて,一応資産も漸増,手堅い経営をしていると判断する.

損益計算書から稼ぎを分析

損益計算書から純利益を棒グラフとしてプロットし,純利益率(純利益/売上高),粗利益率,SGA比(販管費/粗利益),ROE(純利益/純資産)を折れ線グラフとしてプロットする.純利益は結構波があり,純利益率は10%弱,これも波がある.平均的には10%強,悪くはない…か?

SGA比は結構高め.ROEはおおむね10%,まずまずと見るべきか,少々物足りないと見るべきか…

現金等の残高を棒グラフに,借入金と純利益を折れ線グラフにプロットする.現金等は順調に増えている.また,長期借入金はそこそこ多いが,おおむね3~4年分の純利益で完済できる額.不況や一時的なトラブルによるピンチは切り抜けられそうな雰囲気を醸し出していると判断する.

キャッシュフローをチェック

キャッシュフローを棒グラフで,資本的支出/純利益を折れ線グラフでプロット.こう見ると,2013年と2018年は資本的支出が多く,このために利益が圧縮されたとみなせる.2019年については,事業報告によれば航空機,自動車向けの需要減という別要因がありそう.今後の需要は見通せないが,2019年までに現金等の残高は漸増しており,もし主力製品でシェアと利益を握れれば,ピンチを切り抜けられる可能性が高いと考える.良くも悪くもコロナ禍の動向,航空機需要と自動車(特に,燃料電池車両向けの燃料タンク需要)をチェックしていきたい.

コメント

タイトルとURLをコピーしました