企業探索!:東レ

東レの概要

企業概要(20年3月時点)

【名称,他】東レ(銘柄コード:3402)
http://www.toray.co.jp/

【設立,他】設立:1926.1,上場:1949.5,決算:3月

【企業理念】わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します

【基本方針】お客様のために 新しい価値と高い品質の製品とサービスを
社員のために 働きがいと公正な機会を
株主のために 誠実で信頼に応える経営を
社会のために 社会の一員として責任を果たし相互信頼と連携を

【特色】炭素繊維複合材で世界シェアNo.1!衣料や産業用途の繊維事業が主力事業で,電子材料・水処理膜等も有力

【連結事業】繊維40(7),機能化成品35(8),炭素繊維11(9),
環境・エンジ11(4),ライフサイエンス2(3),他1(8)
※上記,売上比率%(営業利益率%)
※海外比率:57%

【近況】新型コロナ影響で各種素材の需要大幅減.自動車用の樹脂やエアバッグ基布,衣料繊維など軒並み出荷減.主用途の航空機(ボーイング787)減産響き,炭素繊維は赤字転落.現行の月産14機が年内に10機,22年に7機体制に移行.事業への影響は長期化.
中国でおむつ用不織布の新工場が4月に稼働。

財務状況と各種指標(20年3月時点)

【財務】総資産 2,650,687 / 資本金 147,873
自己資本 1,093,748 / 自己資本比率 41.3%
利益剰余金 849,268 / 有利子負債 913,557

【指標等】ROE 5.0%(予3.7%) / ROA 2.1%(予1.5%)
調整1株益 34.6円 / 最高純益(17.3) 99,418
設備投資 1,475億(予1,630億)
減価償却 1,101億(予1,200億)
研究開発 669億(予680億)

主力事業とシェアの推移

主力の炭素繊維複合事業を見てみると※,東レで世界シェアの50%程度を握っている.売り上げの構成は半数近くが航空機向けで,昨今の最新機の機体軽量化(燃費低減)のために積極的に炭素繊維が使用されていることがわかる.

炭素繊維複合材料事業での営業利益と利益率の推移を見てみると,波はあるものの,利益率は5~20%で推移していることがわかる.

2019年度の実績で見ると,産業用途の需要回復の遅れ,販売価格の下落や原燃料価格の上昇の影響を受け,営業利益は大きく下振した,とある.理由としては,航空機の減産,自動車用途の成長減速,ライバルメーカの台頭(汎用グレード品での価格競争に巻き込まれ),が挙げられる.

どの産業もそうだが,技術優位性を失い価格競争に巻き込まれると,シェアを守るために価格を下げるか,価格据え置きでシェアが下がるか,なので,じり貧の可能性がある.

※以上,「TorayIR Day 中期経営課題“AP-G 2022”事業説明会2020年6月5日炭素繊維複合材料事業」より抜粋.

今後の動向

最新の情報によると,新型コロナによる航空機需要の大幅減少につき,主力の炭素繊維複合材料さえ赤字の状態とのこと.コロナ禍が去ったのち,航空機による移動の需要がどこまで回復するかだが,管理人は「ビジネス利用は読めないが,旅行需要は徐々に戻すのでは」と考えている.もっと読めないのは,次の柱としている「燃料電池自動車向けの燃料タンク」需要で,どこまで燃料電池自動車の割合が増えるか…個人的には爆発的に増えることはないと思うが…

ただ,それでも「燃費をよくする!」というニーズがある限り,「軽くしたい=炭素繊維で頑張る!」という話はそこかしこで出てくるはずなので,財務分析をしてみたいと思う(東レの財務分析はこちらのページ).

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