財務状態をビジュアル化する

すべての分析は財務諸表から

すべての分析は財務諸表から始まる.財務諸表は,証券会社の各種サービスを使用しても良いけれど,このサイトでは,EDINETにアップされている有価証券報告書から読み取ることにする.読み取った財務3表(損益計算書,貸借対照表,キャッシュフロー計算書)から必要な情報を抽出し,時間軸に対してプロットして,目を付けた企業が長期的に安定して利益を出しているか等を確認する.

損益計算書(P/L)をビジュアル化する

損益計算書で,その期の売上,売り上げに対する原価や粗利益,各種費用,そして純利益を読み取ることが出来る.イメージを下記に示す.ここでは特に,長期的に市場に価値を提供できる会社かを見るために,粗利益率,SGA比,純利益率に着眼する.粗利益率,純利益率は高いほうが良いし,SGA比は低いほうが良い.

貸借対照表(B/S)をビジュアル化する

貸借対照表で,その期の会社の資産と負債,純資産(つまり,会社の軍資金)を読み取ることが出来る.イメージを下記に示す.細かい内訳をみるのも大事だが,大まかに資産,現金,借金に着目し,純資産,利益剰余金が多いこと(ピンチを切り抜ける可能性が高い),借金が少ないことを見る.

キャッシュフロー計算書(C/F)をビジュアル化する

キャッシュフロー計算書で,その期の稼ぎと,事業に使ったお金,事業のためにかき集めたお金を読み取ることが出来る.イメージを下記に示す.

読み取った財務状態を時間推移に対してプロットする

読み取った情報を長期軸(7年以上,可能なら10年分)に対してプロットする.まず,貸借対照表の資産と負債をプロットし,現金や利益剰余金が安定的に増えているか,借金が多くないかを確認する.

次に,損益計算書から,純利益が安定しているか,自己資本比率(資産における純資産の比率)が55%以上か,粗利益率が高いか(40%以上が望ましい),SGA比(販管費/粗利益)が高くないか(できれば30%以下だが,Mustではない),ROEが高いか(10%以上が望ましい)をざっくりとチェックする.

同時に,現金等が着実に増えているか,長期借入金が高くないか(純利益の3倍以下)などをチェックする.

最後にキャッシュフロー計算書を見て,営業CF(営業活動によるキャッシュフロー)が安定しているか,投資CFが大きくないか,現金等が着実に増えているかを再確認する.

ちなみにEDINETにアップされている有価証券報告書は5年分なので,長期のデータを見たい場合は,各社のHPにアップされている有価証券報告書(PDFファイル)から読み取る必要がある.また,投資家を長く続けるなら,EDINETから有価証券報告書の電子ファイル(XBRL)をダウンロードしてストックしておくと良いように感じる(管理人は13年度決算分から保存している).

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